PHPの学習方法をお伝えしてきた経験からお話しますと、効果的な独学の方法を知らなかったり、間違った方法を続けていたりするということがあります。
そこで今回は、PHPの独学を難しいものにしないコツやポイントをお話していきます。
この記事を読んで欲しい人
- プログラミング未経験の方
- 少しだけやってみたことのある方
- 独学で挫折した経験をお持ちの方
目次
1:PHPが初心者にも始めやすい理由
はじめに、PHPがプログラミング未経験の方や、初心者の方におすすめなのか、その理由をおさらいしておきましょう。
(1)PHPをおさらいしよう
PHPとは「Personal Home Page tools」の略です。この言葉からもわかりますが、PHPは「C言語」「Ruby」「Python」「Java」などとは少し違い、ホームページ(ウェブページとも言います)を開発するための言語だということです。
このようなPHPは1994年に開発されたプログラミング言語であり、発表から改良を重ねて進化し、現在ではメジャーバージョンが「7」になっています。
(2)PHPの特徴
PHPはホームページを開発するための言語だとお話しました。ということは、ご存じかもしれませんがホームページを作るときに必須な「HTML」も最初から機能するということです。
例えば最近人気の「Python」や「Ruby」でHTMLコードを記述してみても、思っているようには動きません。でもPHPなら、最初からHTMLを正しく動かせるようになっているので簡単にホームページを作ることができるのです。
また、ホームページを動かすために必要な「レンタルサーバー」と呼ばれる高性能コンピュータのほとんどに、最初からPHPは動くように設定されているので、初めての方でもややこしい「サーバーの環境構築」を気にしないまま試すして動かすことができるのです。
このような特徴を持つPHPは、RubyやPython、C言語やJavaなどと比較すると大変簡単に動かすための環境を手に入れることができます。
そして目で見て簡単に変化がわかるホームページを作るため、学習していても楽しく進めるプログラミング言語だと言えるでしょう。
(3)PHPを学ぶメリットとは
PHPを学ぶメリットをお話します。やはり独学はメリットが明確にわかっていないと続けるのは難しいものですし、最初にメリットがわかっている方が、自分の将来に役立つのかどうかも判断しやすくなります。
メリット1:動的なページが作れる
「動的」とは、ホームページの内容を状況や指定される内容によって変化させることができるということです。
例えば、通販のページで欲しい商品名を入力して探したとき、一致した検索結果が表示されます。このような動きのあるページを「動的」と言います。
メリット2:WordPressをカスタマイズできる
今や多くのホームページやブログ、メディアサイトの基本となっている「WordPress」。そんなWordPressは「PHP」で作られています。そしてここが肝心です。
PHPで作られているということは、カスタマイズすることができるということ。すなわち、ホームページ制作の仕事ができるようになるということでもあります。
しかし、こういったスキルを持つ人は、まだまだ不足しています。いっぽう、インターネットを使った情報発信を行いたい会社や個人事業主は増えています。
特に最近の経済状況を考えると、今後のビジネスには不可欠な要素になってくるはずですから、PHPがわかるスキルを持っていると転職や就職活動にもプラスに働くことは間違いありません。
そしてPHPの学習を通して身につけたスキルを証明するために「資格」を取得できれば、あなたの思っている会社に採用される可能性も高まります。
メリット3:ウェブアプリケーション開発の基本がわかる
まわりを見渡すと気がつきますが、今や80%以上の人がスマートフォンで何らかのサービスを使っています。
Amazon、ZOZO、Yahoo!などがイメージしやすいですが、こういったサービスは「ウェブアプリケーション」と呼ばれるソフトウェアを開発することで細かなサービスを提供し、多くのお金を生み出しています。
こうしたウェブアプリケーションは、今後もビジネスシーンで無くなるなることはありませんし、反対に増えていく傾向にあります。その証拠に、最近話題になる新しいサービスのほとんどは、インターネットを使ったものばかりですね。
ここにPHPを学ぶメリットがあります。
というのも、PHPは動的なホームページを作るためのプログラミング言語ですから、同時に「ウェブアプリケーション」を開発することもできるんです。このスキルを獲得することで、常に人材不足の状態である「IT関係」への転職や就職を狙うことができるでしょう。
2:PHPを独学するための基礎知識
それではPHPの独学をスムーズに始めるための基礎知識をお伝えします。
(1)調べやすい
プログラミングを独学するとき、もっとも困るのが「上手く動かないとき」「エラーが出たとき」どうやって解決すれば良いのかわからないという状態です。
でも、PHPなら安心なんですね。なぜかというと、世界中の人が使っているプログラミング言語なので、インターネットで検索すると解決方法を比較的簡単に見つけることができるのです。これは大変ありがたい状態です。ぜひ「調べやすい」ということを覚えておきましょう。
(2)パソコンがあればOK
PHPを独学するとき、パソコン1台あればOKです。
ノートパソコンなら、ゆっくりできるカフェでも学習できます。
お家で学習するのが向いている方なら、デスクトップパソコンを私はおすすめします。
というのも、学習中は長時間座っていることが増えるので、大きな画面と入力しやすいフルサイズのキーボードは快適なんですね。肩こりや首の痛みの予防にもなります。
(3)データベースの知識
PHPを独学するのにデータベースって?と思われたかもしれません。でも、PHPを独学するときデータベースの知識を抜きには進められません。
最初からデータベースをガンガン勉強する必要はありませんが、PHPに少しずつ慣れてきたなと感じられたら、少しずつデータベースについての学習も平行して行うことを覚えておいてください。
3:PHPを独学する前に学習ロードマップを理解しよう
PHPを学習すると「WordPress」や「ウェブアプリケーション」の開発ができるようになるとお話しました。
このようにPHPはホームページから通販サイトのようなサービスまでカバーできるプログラミング言語ですから、きちんとした学習ロードマップを理解した上で独学を進めないといけません。
ロードマップを理解せず進めると、あちこちの知識やスキルをかじっただけで効果的に使えないということも起こりえます。
では、どのような学習ロードマップで進めればいいのでしょう。次からステップに沿ってお話します。
STEP1:ウェブページの基礎を学ぶ
HTML、CSS、JavaScript、この3つの基礎を学びましょう。特にHTMLはウェブページの構造を表す部分(骨格部分)ですから、基礎的な部分だけはおさえておきたいですね。
STEP2:PHPの基礎を学ぶ
まずはPHPというプログラミング言語の基礎を学びましょう。特にプログラミングの基礎とも言える
- 変数
- 定数
- 配列
そして、
- 代入
- 判断
- 繰り返し
これらをきちんと理解することが肝心です。
STEP3:手を動かす
「記憶する = 暗記する」ということはプラスになりますが、スキルにはなりません。スキルとは「知っている」ではなく「やっている」ことです。
ですから、暗記することを目指すのではなく、手を動かしてプログラムのコードをドンドンと書いていきましょう。
なぜかプログラミングを独学している方の中には
- エラーに出会うのかイヤだから
- 上手く動かないときに解決できないから
という理由で、手を動かすのを躊躇う人もいますがそれではスキルにはなりません。
難しく考えずに「手を動かす」ことが大切です。
STEP4:PHPだけで動くものを作る
PHPだけで画面が変わって動くものを作りましょう。多くの書籍にサンプルが掲載されていますので、マネして作っていくのがおすすめです。
STEP5:カスタマイズしてみよう
マネして作ったものに、入力項目や表示項目を自分なりに追加してみます。書籍に掲載されている内容だけを学んでも、自分の応用力にはなりません。サンプルへ自分なりにカスタマイズすることで、自分の頭で考えコードを書けるようになります。
STEP6:データベースを学ぶ
情報が無いとサービスを提供することはできません。そこで情報を記憶しておくソフトウェアである「データベース」について学んでおきましょう。
「SQL」と呼ばれるデータベースを操る言語と、データベースの働きや役割を理解することを目指してください。
STEP7:自分で作ってみる
HTML、CSS、JavaScript、PHP、データベースの基礎的な学習がおわりましたら、全部を完全に理解しようとはせず、とにかく自分でウェブアプリケーションを作ってみるか、WordPressをカスタマイズしてみましょう。
独学する方で間違えやすいことですが、すべてを完全に理解できていないとウェブアプリケーションの開発やWordPressのカスタマイズは「無理!」と考えている人がいます。
でも、そんなことはありません。プログラミングは「トライ&エラー」の連続ですから、調べながら進めることも可能なのです。
4:PHP独学の流れで身につけたいスキル
ロードマップで登場したことも含んでいますが、身につけたいスキルをここで整理しておきましょう。
- HTML:ウェブページの構造を決める役割がある
- CSS:ウェブページのデザイン
- JavaScript:ブラウザー側で動きや計算、チェックなどをする
- PHP:メインの学習言語です
- データベース:情報を記憶・検索するシステムの役割
- SQL:データベースを操る専用の言語
- HTTPリクエスト:ブラウザーとサーバーとの間で情報をやりとりする方法
- セッション:持続的に情報を記憶する方法
これらのスキルを身につけたいところです。こうやって見るとたくさんあるので「無理!」と思うかもしれませんが、PHPの独学を進める中で少しずつ学ぶことになりますので終わる頃には理解できることが増えていることでしょう。
5:PHPを独学で身につける期間はどれくらい?
この期間は目安でしかありません。というのも、人によって毎日の学習時間も違いますし、ライフスタイルや優先順位も違うからです。
ただ、これまでの経験から申し上げますと、次のような傾向が強いです。
- HTMLとCSSの基礎 → 10~20時間
- JavaScriptの基礎 → 10~20時間
- PHPの概要 → 5~10時間
- PHPの基礎 → 20~30時間
- PHPで簡単なものを作る → 50~100時間
- データベースを使ったものを作る → 150時間~200時間
私がこれまで学習サポートをさせていただいた経験では、HTMLも知らなかった人が最短3ヶ月、長くても6ヶ月でデータベースを使ったPHPのアプリケーションを作れるように方もいらっしゃいます。
6:PHPの独学を助けてくれる強い味方を活用しよう
PHPの独学でおすすめの本を紹介しましょう。
(1)超初心者の方ならコレ
イラスト多めなので、スタートしやすいですね。
(2)ちょっと知ってる人
HTMLやCSSの基礎を知っている方なら、ここから始めてみるのもおすすめです。ウェブアプリケーションの基礎が学べます。
つづいて、サイトやスクールも紹介しておきます。
(1)Progate
教材が豊富です。また動画も用意されているので、文字を読むことが苦手な方にもおすすめです。
【Progate | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate[プロゲート]】
(2)ドットインストール
飽きないように、短い学習コンテンツが用意されています。通勤などの移動時間にも学習しやすいですね。
【ドットインストール – 3分動画でマスターできるプログラミング学習サービス】
(3)テックアカデミー
専属のメンターが、あなたのペースに合わせて学習を手伝ってくれます。オンラインでも質問も可能なので、わからないときにも心強いです。
【TechAcademy [テックアカデミー] | オンラインのプログラミングスクール】
(4)侍エンジニア
こちらも専属のメンターが、あなたの学習をサポートしてくれます。週に1回マンツーマンのオンラインレッスンもありますし、わからないときは専属のメンターへ質問することで解決へ導いてもらえます。
このような学習サイトやスクールは、今も増え続けています。どれが一番良いのかと聞かれることもありますが、内容よりも自分が続けられるかどうかで判断してもらいたいと思います。
一人でもコツコツと進めることが得意なら「Progate」「ドットインストール」。一人でコツコツは苦手で、誰かに後押ししてもらいたいのならスクール。というような視点で選んでもらいたいのです。
【プログラミング学習をするなら侍エンジニア塾 – 日本初マンツーマン専門指導のプログラミングスクール】
さいごに
PHPの独学についてお話してきました。コツやポイントはお伝えしたようにありますが、もっとも重要なことは「学習を継続すること」です。
目標を明確に持ち、そこまでの学習ロードマップを描き、自分が継続しやすい環境を手に入れることが、これから役立つスキルを身につける最短距離になるはずです。