初心者がプログラミングを始めるときにまず決めなければならないのがOS。MacとWindowsのどっちが良いのか迷いますよね。
現役のプログラマーにはMacユーザーが多いようですが、今までWindowsを使用してきた場合、Macに変えた場合、どんな違いがあるのか事前に確認しておくと間違いありません。
そんな初心者のお悩みにお応えしてMacとWindowsの特性や最適な開発環境についてもお伝えします。
目次
- 1. OS選びはプログラミングで何をしたいのかがキーポイント!
- 2.ゲームプログラミングならWindowsがおすすめ
- 3.業務システムも使用するならWindowsが無難
- 4. 業務で使用する言語に合わせてOSを選択
- 5.iPhoneアプリの開発はMacしか使えない
- 6.Macをプログラミングで使うメリット
- 7. プログラミングでMacを使うデメリット
- 8. Windowsをプログラミングで使うメリット
- 9.Windowsをプログラミングで使うデメリット
- 10. Windowsの方が良い場合
- 11. MacでWindowsを使うことができる
- 12. Webアプリケーション開発の言語はどれが良い?
- 13.作成したWebサイトを公開する
- 14.将来性も吟味して決めれば有利
- 15. プログラミングでのOS選びまとめ
1. OS選びはプログラミングで何をしたいのかがキーポイント!
プログラマーにMacユーザーが多い理由のひとつとして、何といっても開発環境の利便性の良さがあげられます。しかしながら、すべての開発環境に適しているわけではないので、安易にMacに決めるのは要注意です。
例えば、仕事先の業務用ソフトや日常的に使用するソフトにOSが対応しているかどうかや、開発プログラムの中にはWindowsの特性を使って行うものもあるので、プログラミングで何をしたいかも吟味が必要です。
まずはMacとWindowsで、それぞれできること、できないことや、注意点など、初心者目線でまとめました。
2.ゲームプログラミングならWindowsがおすすめ
2-1.ゲームアプリを使用するユーザーの大部分がWindowsである
一般的にWindowsユーザーが多いこともあり、ゲーム利用者の多くがWindowsユーザーになります。そのためゲームアプリはWindowsユーザーのニーズに沿った開発がされる傾向にあります。
また、Windowsでゲームアプリを開発すれば、ユーザーに合わせた開発環境で行うので、エラーにも対処しやすく、情報量も圧倒的に多いので、ユーザー目線でみた開発ができる強みがあります。
2-2.ゲーム開発ツールはWindowsの方が豊富
ゲーム開発ツールはMacよりも充実しており、Steamなどゲームに特化したWebサイトでは、かなり安く購入することができ、初心者でも始めやすい環境設定が可能です。
3.業務システムも使用するならWindowsが無難
法人向けの業務システムや会計ソフトにはMacに対応していないものが多くあります。そのため企業で使われる業務基幹システムなどを同じPCで使用する場合は、Windowsしか対応していないものがあるので、Macはおすすめできません。
ただ、専用ソフトウェアをインストールすればMacでもWindowsを使用することが可能です。詳しくは後半の「MacでWindowsを使うことができる」をご参考ください。
4. 業務で使用する言語に合わせてOSを選択
仕事先などで予め使用する言語が決められている場合は、その使用する言語に対応できるOSを選ぶ必要があります。
それぞれMacのみ、Windowsのみでしか対応できない言語もありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
ご参考までにMacのみ、Windowsのみで使用可能な言語の一部をお伝えします。
4-1. Windowsのみで使用できる言語
- VBA
- C#
4-2. Macのみで使用できる言語
- Swift
- Objective-C
- Xcode
4-3. RubyとPythonならMacがおすすめ
コードがシンプルでわかりやすく、初心者のプログラミング学習にも適しているPythonやRubyを選ぶなら、Macに元々標準装備されているので、買ったその日からプログラミングが開始できます。
またPythonを使用する人にはWindowsユーザーが多いこともあり、Windowsでも開発ツールは充実しているので、どちらを使っても問題ありません。
4-4. Java言語はMacでもWindowsでも使用できる
MacもWindowsでも使用できる言語であれば選択肢も増えます。Java言語ならWindows、Macどちらでも問題なく使用可能です。
Java言語はOSに依存しない言語としても汎用性が高いことから海外でも多く使われており、TwitterやEvernoteのほか、Blu-rayディスクプレイヤーなど広範囲に使用されています。
4-5. Android版のスマートフォンアプリであればMacでもWindowsでも使用可能
Android版のスマートフォンアプリには、主にJava、C++のほか、2017年には Kotlinが使われるようになり、こちらも共にOSにとらわれず使用が可能です。
5.iPhoneアプリの開発はMacしか使えない
Apple製品向けのアプリ開発はWindowsではできないので、iPhone等のアプリ製作をしたい場合はMacを使用することになります。
6.Macをプログラミングで使うメリット
6-1.開発者向けアプリが充実している
Macを使う大きなメリットは開発者向けの便利なアプリが豊富にあり、初心者にとって最適な環境で効率的に学習できるところです。
特にコマンドを入れるだけですぐに作動させることができるのも、開発者ニーズに特化した機能であるといえます。
6-2.開発者向けのツールはMacを基準にした説明がされている。
開発者の多くがMacユーザーであることから、開発者向けツールの解説はMacを基準とした説明がなされることが多くあり、Windowsで検索機能を使って進める時間的なロスを考慮すると、Macユーザーに比較的有利な情報に偏っているといえます。
6-3.Web関連企業にMacが多く導入されている
最近ではWeb関連企業にMacの導入が増えており、今後も増える傾向にあることから、就、転職を検討しているなら、事前にMacに使い慣れていた方が有利な場合もあります。
6-4. iOSアプリの開発環境はMacがダントツ有利
iOSアプリを開発したい場合は効率的に進めることが可能な無料ツール「Xcode」がMacのみで使用可能なので、これを使わない手はありません。
WindowsでもiOSアプリの開発は可能ですが、「Xcode」が使えないことで幾らか作業効率が下がる上、Windowsで使用した際にAppleに月額費用を支払わなければいけないので、あまりおすすめできません。
6-5.サーバー用の開発にはMacがおすすめ
サーバーにおいてもWindows系、UNIX系のOSがそれぞれあり、UNIX系の方が多く使われています。MacであればUNIX系を使う環境も整っているので効率よく進めることができます。
6-6.起動が早い
起動の速さはMacがダントツ!電源を入れてからほんの数秒で業務開始できるところが魅力的です。
6-7.中断しても続きから作業可能
Macには電源を消す直前の状態を再現できる機能があり、次に起動したときに前回使用していたアプリケーションをすぐに立ち上げることができます。
忙しい開発者にとってはストレスを軽減できる便利な機能です。
7. プログラミングでMacを使うデメリット
7-1.値段が高い
Windowsとほぼ同じスペックでもMacの方が値段が高く、一番安くても10万円前後します。パフォーマンスを最適化させ、機能性を最大限に活かすため、Appleが使用するパーツにこだわって作られているからです。
7-2.Windowsのツールで使えないものがある
Windowsで使用できる豊富なフリーソフトや、前半でお話した企業用の業務基幹ソフト、会計ソフトなどには、Macに対応していないものが多くあります。
今まで使っていたお気に入りのアプリがMacで使用できない場合には、新たに代替のツールを使用することになります。
8. Windowsをプログラミングで使うメリット
8-1.価格が安い
WindowsはPCの値段の幅が広く、豊富な機種から自分に合ったスペックを選ぶことができるので、ある程度、予算に合わせて選べる分、値段の調整が叶います。
ハイスペックのものも型落ちのものであれば、割安で購入できる場合があります。
8-2.Windowsの代表的な開発環境「Visual Studio」で効率的に作業が可能
Windows ではMicrosoft社によって開発された「Visual Studio」が使用できるという大きなメリットがあります。
Visual Studioは開発にあらゆる機能が備わった総合開発環境と言われ、Windowsは勿論、Androidや、iosのほか、Webアプリケーションからクラウドサービスの構築までも可能とします。
元々、Windows向けに作られたVisual Studioも2018年8月に「Visual Studio for Mac」最新版が出たこともあり、Macユーザーにとっては試してみる価値はあるかもしれません。
8-3.フリーソフトが充実している
開発に必要なフリーソフトが充実しているのも、Windowsを使う大きなメリットです。
Macに切り替えたら、従来Windowsで愛用していたフリーソフトが使用できなくなるケースがよくあります。
2018年7月のNet Applicationsの報告によると、各OSのユーザー比率は、Windowsで88.4%、MAC OSで9.1%、Linuxで1.9%、とあり、Windowsユーザーの圧倒的なシェアの高さによって利便性に差が出ていることがわかります。
9.Windowsをプログラミングで使うデメリット
9-1. Apple製品向けのアプリケーション開発ができない
アプリケーション開発もiPhone向けのものは、Windowsではできないため、その場合はMacを選択せざるを得ません。
10. Windowsの方が良い場合
10-1. Windows専用のアプリを使用したいとき
開発者がプログラムを作成する際にコード入力を効率化してくれるのがテキストエディターです。テキストエディターの選び方は今後の作業効率に大きく影響を与えるほど重要な選択となります。
システム開発には欠かすことのできないテキストエディターのなかにはWindowsでしか使用できないものがありますので、OSの選択肢としても重要なポイントの一つになりえます。
下記はWindowsでしか使用できないテキストエディターですので、Macを選択する場合は注意が必要です。
- 秀丸エディタ
- サクラエディタ
10-2.人気のお絵かきソフトを使用したい場合
WindowsのペイントツールのなかにはMacで使用できないものもあり、お絵かきソフトとして人気の高い「ペイントツールSAI」はMacでは使用できません。
必要の際は、次にお伝えするWineもしくはBoot Campを使って使用することになります。
11. MacでWindowsを使うことができる
WineもしくはBoot Campを使ってWindowsのアプリを使用することが可能です。
但し、Boot Campを使用してWindowsを使用する際、Windowsを新たに購入しなければならず、更に起動の際にはMacもしくWindowsのどちらかを都度、選択しなければいけないので、OS切り替えの場合は再起動が必要です。
Wineを使用する場合は、Windowsの別購入も、再起動も不要です。
またこれとは反対に、WindowsでMacのアプリを使用することは今のところ難しい状況です。
12. Webアプリケーション開発の言語はどれが良い?
Webアプリケーション開発を行う際は、どの言語を使って行うのかが重要になります。各言語にはそれぞれ特徴の違いがあり、どの言語を使用するかによって、今後の作業量に大きく影響してきます。
選んだ言語によって使用するOSが変わる場合もありますので、しっかり理解して選ぶようにしましょう。
12-1. Webアプリケーション開発ができる言語はどれ?
初心者が習得しやすい言語としてRuby、Python、PHPなどがありますが、何をするかによって、その特性にあった言語を選ぶことがポイントです。
簡単に各言語の特徴と採用しているサイトを記載しましたので、ご参考ください。
12-2. Rubyのサイト構築はフレームワークで効率化バツグン
Rubyはブログやサイト構築に適した言語で、Webアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」を使用して効率化できることが一番の特徴です。
日本人が開発した言語なので、ネット上に多くの情報があり、初心者も学習しやすいことで人気です。
近年、Rubyを使ったサイトが増えつつあると共に、Rubyを使った仕事の需要も増加傾向にあります。食ベログ、クックパッドなどで使用されています。
12-3. Pythonはコードがシンプルで機械学習が得意
Pythonの特徴はコードがシンプルであるところです。多くのプログラミング言語は複雑な故に、初心者にとって挫折のリスクが伴いますが、少ないコードで作業できるので、プログラミング作業を効率化できます。
数的解析や機械学習に特化したアプリ開発に向いているので、Web開発やAIにも使用されるなど、日常生活の進化に幅広く利用される言語です。YouTube、Dropboxなどで使用されています。
12-4.汎用性の高い PHPで可能性が広がる
PHPは一般的に一番馴染みのあるプログラミング言語と言えます。
facebook、Wikipediaなど、メジャーなWEBサービスで利用されるほか、ECサイト構築もできるなど汎用性も高いことから、世界中で多く使われる言語として有名です。
また他の言語に比べて学びやすく、ブログが作成できるWordpressにもPHPが使われるなど、初心者が挑戦できる視野が広まる言語としておすすめです。
13.作成したWebサイトを公開する
作成したWebアプリを公開して使用してもらえるようにするには、ドメインを取得して、サーバーを立ち上げることで初めて一般公開されます。
このサーバーには私たちが使うPCで、MacやWindowsといったOSを使うように、サーバー側にもサーバー用のOSが必要になります。
13-1.サーバー用のOSは2種類ある
サーバー用のOSにはWindows系のものと、UNIX系の2つに分かれています。セキュリティが高くてライセンス料がかからないこともあり、UNIX系の方が多く使用されています。
Windows系はGUI機能で操作がしやすいのですが、高いライセンス料を支払わなければいけないので、圧倒的にUNIX系の方が多く使用される一因になっていると思われます。
14.将来性も吟味して決めれば有利
プログラミングで使用するOSは、目的や使用する言語によっても選択肢が変わりますが、将来的な市場の動向や汎用性も加味して選ぶことで、効果的に作業を行うことにも繋がります。
15. プログラミングでのOS選びまとめ
いかがでしたか。プログラミングの学習に入る前に、まず開発したプログラムで何をしたいかがOSの決め手になることが理解できたかと思います。
OSはMacであれば、専用ツールを介してWindowsを使用することができ、汎用性も広がります。また、使用するソフトやツールによっても作業の効率性が大きく変わりますので、事前に重要性のあるものをしっかり検討すれば失敗もありません。